このままキャッシュレス化を推進するとヤバいと考える理由

このまま進めて大丈夫か?

日経新聞の記事によると、経済産業省は2025年までに日本のキャッシュレス決済比率を現在の約2割から4割まで引き上げる事を目標として定めました。

ポイントなんかもついて我々にはメリットもあると思いますが、果たしてそれだけでしょうか?
本当に弊害は一つもないのでしょうか。
今回はこの事について考えます。



キャッシュレス決済方式

一口にキャッシュレス決済と言っても色々な方式があります。
その中からいくつかの例を紹介します。

クレジットカード決済

言わずと知れた方式で、店頭またはオンラインショップなどでカード情報を元に決済します。

これができるのは、ざっくり言うと、我々の属性に対しての信用があるから、と言う事になります。
仕組みについて詳しく知りたい方はWikipediaが詳しいです。
年会費○○円、ポイント○%還元、などを基準にカードを選ぶ人もいるでしょう。
楽天カードあたりは高還元率で有名ですし、テレビCMを一度は見たことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。



電子マネー決済

SuicaやPASMOあたりが有名だと思います。
この2つは駅の券売機などでチャージができるので比較的使いやすい、というかあまり迷わないと思います。
その他で言えば楽天Edy、iD、QUICPAYが市民権を得ていると思います。
Edyは対応店舗数も多いですね。
Edyは前払い式なので、あらかじめチャージしておかないとレジで恥をかく可能性ありです。
iDとQUICPAYは後払い式なので、イメージとしてはサインの要らないクレジットカードです。


モバイル決済

こちらはクレジットカードや銀行口座と連携して、スマートフォン上のバーコードを店舗で読んでもらうか、店舗のQRコードを読む、というものになります。
代表的なものはApple PayやLINE Payあたりでしょうか。
最近はOrigami PayもよくCMをやってますね。
海外のサービスだと、Wechat PayやAlipayあたりが有名ですね。



小切手

米国は小切手社会と言われていますが、日本ではマイナーな手法ですね。
個人が当座預金を開くというのは聞いたことがありませんし、私も法人などは持ってないので開いたこともないです。


キャッシュレス化推進のメリット

キャッシュレス化の推進は政府の、そして経産省の大目標となっています。
新たにキャッシュレス推進協議会の設置もされましたし、メンバーもそうそうたる顔触れです。
そこまでするからには、当然メリットはあります。
それぞれについて触れていきます。

省人化、コストカットに繋がる

今日本は慢性的な人手不足に悩まされています。
昨今の入管法案の審議がそれを物語っています。
色々な意見があるのも承知していますし、各自の政治信条や考え方の違いもあるので大きくは触れませんが、少なくとも現状のままでは日本の人手不足問題が解決する事はありません。

こういう状況において、現金管理が削減されるというのは、特にある程度の規模感の小売業などは、たとえ決済手数料を払ってでも導入するメリットはありそうです。
こちらのサイトが人件費率を比較的わかりやすくまとめてくれています。
当然店舗での管理もそうですし、例えば銀行も現金輸送の頻度も少なくなるでしょう。
貨幣の製造を減らす事もできるかもしれませんね。
財務省のHPによると、貨幣の製造コストは、予算ベースですが平成28年度で147億円、決して安くはありません。

インバウンド需要への対応

海外からの観光客が一様に不便と感じるポイントがここではないかと思います。
こんな調査結果もありました。
特に中国人の購買力を取り込みたいのであれば、観光地などは対応した方がより売り上げを稼げるかもしれませんね。

デメリットは?

実際問題、キャッシュレス化は今の東京で生活していてそこまで浸透しているというイメージはありません。
地方に行くとその傾向はさらに顕著です。
なぜ国の大号令にもかかわらず導入は進まないのでしょうか?
考えてみたいと思います。

導入手数料が高い

クレジットカードやモバイル決済導入の手数料は概ね3%前後です。

何が起こるかというと、これで決済されると店舗は売り上げの3〜4%を無条件に持ってかれる、という事なんですよね。
皆さんの会社で利益率を3%上げるってとてつもなく大変だと思いますが、それを軽々持ち去られるのは、特に小規模店舗にとっては痛手になりますよね。
政府は2019年10月に始まる消費増税に向けて2%のポイント還元とか言ってますが、それが小売店から出るのであれば、それはすなわち中小規模のお店に死刑宣告を出すようなものです。
決済プラットフォームを提供する会社から出るのであれば、それは彼らの利益を食い潰す事になるので、おそらく手数料を上げにくるのではないかと思われます。
これって少し前にやっていた地域振興券と、本質的に一体どこが違うのでしょうか。
少なくともこの手数料問題が解決しない限り、普及は無いと思いますし、小売店が泣くだけだと思います。

安全性は大丈夫か?

これも頭の痛い問題で、一時は安全神話さえあった感のある仮想通貨のブロックチェーンも、コインチェックの事件ではいとも簡単にNEMを持ち去られてしまいました。

仮想通貨とは少し違いますが、キャッシュレス決済の普及は、それだけオンライン上に個人情報を預ける母集団が増える事を意味します。
ユーザー側もプラットフォーム側も国も何もなしでは恐らく私のようなテック好きや節約好きプラスアルファにしか普及しないのではと考えます。

国民にとってプラスになるか?

我々現役世代はポイント還元などのメリットを確実に享受できるでしょう。
では、定年退職を迎えた方や専業主婦、健康上の理由から働けない方はどうでしょうか。
この様なケースでは、在職の時と比べると更新や新規作成には一定のハードルがあると考えるべきでしょう。
参考リンク:定年退職でのクレジットカード更新

日本国内のキャッシュレス決済は、銀行口座と連携するものもありますが、クレジットカードの所持が前提になっているのではないかと見受けられます。
果たしてこのような状態でキャッシュレス化を推進した時、取り残される人はいないのでしょうか。
都市部は大体キャッシュお断り、なんていう風に将来なった時に、特に定年退職された方の資産は都市部の消費に向かうのでしょうか。
この事についての議論がないままでの推進は危険な気がしてなりません。

まとめ

私個人はキャッシュレス化で間違いなくメリットを享受できる人なので歓迎なのですが、国の消費形態を根本からひっくり返す可能性を秘めたこのシステムの普及には、それこそ今回の改造内閣の平井大臣の発言のような議論や制度の整備が不可欠と考えます。

この記事が何かのお役に立てば幸いです。


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