日産・ルノー問題にあえて一言

上場企業とは

11月19日にカルロス・ゴーン前会長が逮捕された時は大きな衝撃をもって受け止められました。
しかし、最近の報道を見ていると、むしろ今は日産とルノーの関係に注目が集まっています。
見ていて腹立たしい時もあります。
では、単純にルノーは悪代官で日産はか弱き善良な市民なのでしょうか。
今回はこの件について考えます。



今回の問題の構図

先日放映されたNHKスペシャルの内容をベースに、色々な報道をつなぎ合わせるとこんな感じかな?というのを図にしてみました。
こうしてみると、ルノーは日産に食べさせてもらっているけど、言いたい放題やりたい放題、日産を食い潰して搾取するという構図が見えてきます。
では、なんでこんな事になってしまったのか、そもそもなんでルノーに43%も株を握られたのかを考えます。

口うるさい親分

各種報道でも取り上げられますが、例えばこちらの記事によると、倒産危機もあった日産にルノーは6000億規模の出資を行い、日産を救っています。
元々ある程度の株は持っていたかもしれませんが、これをキッカケに、ルノーによる日産の支配構造は決定的になりました。
要は、過去やらかした日産が、その過去のツケで声のデカい親分に付け入られた、とでも言えばわかりやすいでしょうか。
日産としては、過去助けてもらった経緯があるので、無下には出来ないけれど、今や自分たちが支えている、という気持ちもあるでしょう。
それでいいのでしょうか。

上場している事の意味

最初に上場した時は、資金調達がしたいなどの動機があったのではないかと思いますが、今の日産の反応を見ている限り、要は親分のルノーの存在が邪魔で、ああでもないこうでもないと深謀遠慮を張り巡らせようとしているように私には映ります。
過去のブルドッグソースの時もそうでしたが、要はやなヤツに株を握られたくない。
こういう時いつも思うのですが、じゃあなんで上場してるんですか?と私は言いたいです。
株式を上場するって、要はその会社の株を、いつでも誰でも好きな時に好きなだけ株を買えるようになる、という事です。
株主総会があれば、目的は会社の応援か短期売買か機関投資家の利ざや狙いか優待狙いなのかは知りませんが、その会社のためにリスクを取ってくれた投資家は大なり小なり物言う権利があります。
過去は知りませんが、ルノーは日産株をかなりの割合で保有しているのであれば、合併にしろ役員を送り込むにしろ、彼らは当然ながらやってきます。
その権利があるし、過去にリスクを取ったし、今もリスクを取り続けているから。


どうすればいいのか

原理原則に従うなら、日産はルノーの株式を買い増しするか、ルノーの総会でプロキシファイトを仕掛けるなど、あくまで株式を上場している上での手を講ずるべきではないでしょうか。
ルノーもルノーで、日産にダブルスコア近く時価総額ベースで水を開けられているのに、何もできていない。
少なくとも、ルノーを買えばもれなく日産がディスカウン価格で買えるという、資本主義社会からみて歪な状態は放置すべきではないと考えます。
歪な資本関係に対して何も考えていないのか、または思いはあるけど有効な手立てがないのか、または手を打つ気がないのか、その事自体に思いが至ってないのか。いずれにしてもアウトだと思います。
ルノーも日産も、下手をすればもっと嫌な人たちに丸々買われてしまう可能性がある事は認識してもいいと思います。

報道にも一言

今の報道を見る限り、日産とルノーの対立関係を面白おかしくまとめ上げ、フランス政府が目先の雇用や国益を連呼する様を映して危機感を煽っているように見えます。そして、あたかもゴーン氏が世紀の大悪党であるかのような報道のされ方も気になります。
それらも重要なのかもしれませんが、今の2社の資本関係がそもそも変である事を、売上云々ではなく原理原則から伝えないと、義務教育に金融が無いこの国の金融リテラシーは上がりません。
短期的には視聴率という形は稼げるでしょうが、長期的に見てそれが日本のためになるのかどうか、今一度私含め考えるべきではないかと思います。

まとめ

日産とルノーの関係はただの見世物ではなく、フランス政府も絡む複雑な問題です。
金融の原理原則を揺るがすイレギュラーな状態も絡んだ、ただ面白がっていればいい問題ではない事を、私自身含めて認識すべきと考えます。
この記事が何かのお役に立てば幸いです。


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